企業として Github Sponsors になる

January 9, 2021 - 読了時間 1 分
sponsor github corporation

2019年5月、個人が GitHub 上の開発者へ経済的な支援を行う、つまりスポンサーになる仕組みが提供されました。

最近気付きましたが、GitHub 社のブログ記事が翻訳されて日本語でも読めるようになっています。当時のアナウンスの記事が次になります。

そして、その半年後には、オープンソースのプロジェクト (Organization) に対してもスポンサーができるようになりました。

私の周りでも徐々にスポンサーを受ける画面を設けている開発者をみかけるようになってきています。支援金額も複数の選択肢があることから個人でも気軽に支援できるようになっています。優れたソフトウェアをオープンソースとして公開している開発者は企業に雇われなくてもスポンサードで生活できるかもしれませんし、既にそうなっている可能性すら感じます。

そして、少し前に企業からもプロジェクトや開発者のスポンサーができるようになったようです。

当社も企業としてオープンソースのプロジェクトやコミュニティを支援したいと考えているため、この機に調べてみたことをまとめてみます。

個人アカウントは手数料無料

GitHub Sponsors の提供を発表した当時は期限付きで手数料を無料とし、スポンサーとして提供された金額が100%開発者の元へ届けられるとされていました。

現時点のドキュメントでは次のように記載されています。

GitHub Sponsors does not charge any fees for sponsorships from user accounts, so 100% of these sponsorships go to the sponsored developer or organization. The 10% fee for sponsorships from organizations is waived during the beta.

About billing for GitHub Sponsors

意訳すると、個人アカウントからのスポンサーについては手数料を取らないと明記されています。但し、企業からのスポンサーは今後10%の手数料を取る予定のようです。現時点ではベータ版のため、企業アカウントからのスポンサー手数料も無料でした。これまでの傾向から推測すると、半年後もしくは1年後にベータ版が終了して手数料がかかるようになるのかもしれません。

企業スポンサーになる

とくに難しいことはありません。例えば、スポンサードを設けている開発者やプロジェクトの画面へ移動します。

右上にどのアカウントでスポンサーするかを選択できます。このアカウント選択を企業 (Organization) にするだけでできます。

github sponsors tk0miya

Github Sponsors の開発者画面

スポンサーになるには事前に支払い方法の設定を済ませておく必要があります。いまはクレジットカードか PayPal で支払いできます。スポンサー側だけの、オンライン上の手続きのみで済むため、その開発者やプロジェクトとやり取りをする必要はありません。スポンサード側の開発者やプロジェクトに、例えば請求書や領収書を作ってもらうといった労力を強いることもありません。スポンサー側もスポンサード側も個別になにかする必要がないお手軽さがよいです。

次にスポンサーをする tier を選択します。現在のところ月々いくらといった設定になるようです。企業としては売上に余裕のある年度はスポンサーして、そうじゃないときは一時的にやめるといったことがやりやすいように年単位で一括して支払うといった方法の方が嬉しい場合もあるかなと思ったりしました。

スポンサーになると、開発者の説明の下にアカウント画像が表示されています。当社の (青い) ロゴも一番右側にありますね。

Sphinx プロジェクトのスポンサー

小宮 健 氏は、ドキュメンテーションツール Sphinx のコア開発者として活動しています。当社としては Sphinx プロジェクトのスポンサーを意図していますが、これまでの実績を考慮すると小宮氏のスポンサーになることも同義であると考えているので小宮氏のスポンサーになりました。

当社は昨年からスポンサーをしていますが、過去にコミュニティでやり取りしたり、勉強会などで発表してもらったり、Software Design 2020年5月号 の記事を執筆したときにレビューをしてもらったり、個人的にも長い付き合いのある開発者です。そして、私は過去に業務で Sphinx を使ったドキュメントをたくさん作成してきたのでその恩恵を受けています。

GitHub Sponsors については 時雨堂 さんが記事を発信しているのをみかけていました。

当社も時雨堂さんの記事の内容に共感しています。できる範囲でオープンソースプロジェクトや開発者を支援したいと考えていて、その第一歩として Sphinx プロジェクトのスポンサーを決めました。

ドキュメントはそれ自体が付加的な成果物であるため、ドキュメンテーションツールそのものが脚光を浴びることはあまりありません。そのため、プロジェクトや開発者への支援も他の主要ツールと比べて集まりにくいかもしれません。それでも誰かがメンテナンスをしてくれるおかげで使い続けることができます。

当社は自社で使っているツールはもちろんですが、Sphinx のようなあまり注目されないけど、継続的に開発を続けてくれているプロジェクトや開発者を支援していきたいと考えています。

余談ですが、過去に勤めていた企業で、あるコミュニティイベントに登壇する際、新幹線の移動が伴う場所でした。試しに上長に「イベント登壇のために交通費を経費にできたりしますか?」と尋ねたとき「業務に関係ない内容ならできません。」と返されたことがありました。とくに却下されたことやそのルールそのものに不満があるわけではありません。組織として公平性や規律を守るためになんらかの基準を設ける必要もあるでしょう。ただ企業として何に価値があるかの判断において、上長は内容を精査せず部下の業務に関係あるかどうかでしか判断しないことに、もやっとした気持ちもありました。

当社は零細企業なのでいつまでスポンサーができるかも全くわかりません。しかし、小さい組織であるから、業務に関係がある・ないといったルールではなく、個別の背景や状況を考慮して価値がある・ないといった判断ができる楽しさがあることに気付いた次第です。

スポンサーの会計処理

企業としてスポンサーのお金 (協賛金) を支払ったとき、どのように会計処理をすればよいのか、私がよくわかっていないので調べたことをメモ書き程度に書いておきます。私は会計の専門家ではないため、会計処理の妥当性については判断できません。あくまで参考程度にみて専門家に相談してください。

スポンサーをするときの会計処理は大きくわけて次の3つの方法があるようです。

どういった会計処理をするかで税金の扱いが変わってきます。わかりやすく言えば、スポンサーとして支払ったお金を経費にできるかどうかが異なります。もっとも簡単に経費として会計処理できるのは広告宣伝費です。しかし、その基準を満たしているかを確認する必要があります。例えば、広告効果以上の過大な金額を支払っていると不正なものとみなされて経費にできないといった場合もあるそうです。

当社としては企業の宣伝広告のためにスポンサーをやっているということも兼ねてこの記事を書いています。開発者のスポンサーになるというのは、スポーツなどのアスリート選手に対するそれと同じようなものではないでしょうか。

スポンサーになると、Organization ページにも Sponsoring のタブが作成され、企業がプロジェクトや開発者を支援していることがわかります。誰でもみえるところに、企業がオープンソースプロジェクトやその開発者を支援しているということが伺えるので、そういったことに興味・関心をもつ企業であることを宣伝できます。

github sponsors kazamori

Organization のスポンサー側の画面

リファレンス

まとめ

企業としてのスポンサーや寄付といった行動は、本来、税金として納めるお金の一部に対して、用途を限定した形で分配すると言い換えられるかもしれません。(もちろんスポンサーは企業の宣伝のためにやっています)。それでも自社が属する業界や自社と直接・間接を問わずなんらかの関係がある組織や活動にお金がまわるようになることは、それ自体がまわりまわって自社の利益になるかもしれません。

なによりも企業の視点から価値があると考えていることにお金が使われることになるので幸せ感があります。

Hugo で SNS 向けのシェアボタンを追加する TypeORM の @RelationId デコレーターとパフォーマンス